最終更新日 : 12/17/2025


出展: ヒューストン日本商工会発行のガルフストリーム会報誌
10月15日、近鉄グループの一員で米国にてホテル事業などを展開しているアメリカ近鉄興業が、テキサス州プレイノ市において、米国で3拠点目となる都ハイブリッドホテルの起工式を開催しました。プレイノ市には、北米トヨタ社をはじめ、日系の有力企業が北米・米国の本社や研究開発拠点などを置いており、都ハイブリッドホテルは、日系ホテルならではのきめ細かいサービスや本格的な日本食などをお客様に提供するホテルとして、2027年秋の開業を目指しています。起工式には、長沼善太郎在ヒューストン総領事の他、ジョン・マンス・プレイノ市長やアンジェラ・パクストン・テキサス州上院議員などの地元の政財界の代表、近鉄グループホールディングス株式会社の若井取締役社長など、約100名が出席しました。

近鉄グループの米国におけるホテル事業の歴史は、1968年に始まります。この事業がスタートした場所はカリフォルニア州サンフランシスコ市で、第二次世界大戦時に強制収容所に送られた同市の日系人の居住地区をめぐる、再開発計画の一環でした。それでは、なぜ、この再開発事業に近鉄が関わることになったのか、それはサンフランシスコ市が姉妹都市である大阪市に同事業への協力を要請し、大阪市の多くの企業が協力に消極的であった中、近鉄が積極的に協力に乗り出したからです。近鉄は、サンフランシスコ市のジャパンタウンに2つのホテルと2つのショッピングモールを建設し、これらの施設はジャパンタウンの一大拠点となりました。
2006年、近鉄はサンフランシスコ市のホテル及びショッピングモールを他社に売却することとなりました。この決定の理由には、近鉄グループ内の再編、サンフランシスコ市からロサンゼルス市への米国拠点機能の集約、サンフランシスコ市ジャパンタウンにおける日系人以外の人口の増加などが挙げられます。都ホテルは、ロサンゼルス市では1989年に開業しましたが、先に述べた米国拠点機能の集約の決定を踏まえて、2009年にロサンゼルス市近郊のトーランス市において、都ハイブリッドホテルが開業いたしました。


Miyako Hotel Los Angeles
近年では、日本人メジャーリーガーの活躍により、お蔭様で都ホテルもその恩恵に浴しています。都ホテルロサンゼルスは、地元アーティストが描いた、ロサンゼルス・ドジャーズの大谷翔平選手の壁画により、ロサンゼルス市を訪れる日本人観光客の重要な立ち寄りスポットになっています。実は、この壁画は営利とは関係なく、壁画アーティストがロサンゼルス市当局、ロサンゼルス・ドジャース、及び、大谷翔平選手本人の許可を得て描いたものなのですが、関連のアプリをスマホにインストールすると、大谷選手のバットスイングが見られるといった仕掛けもございます。
このように、これまで主に米国西海岸でビジネスを展開してきた都ホテルですが、テキサス州ダラス地区が日系企業とそのパートナーの米国企業により、米国・北米でのビジネスのみならず、中南米でのビジネスにとっても拠点となることから、近鉄グループとして進出を決定し、この度起工式を開催させていただいた次第です。2027年秋に、予定通り無事開業することができましたら、各部屋には単なるシャワールームではなくリラックスできるバススペースを設けるなど、お客様を最大限おもてなしできるホテルにすることができればと思っております。日本のサービスが世界でどのくらい通じるのか、もしこのホテルがダラス地区そしてテキサス州における日本の文化の発信拠点になるようでしたら、この上なく嬉しいです。
近鉄インターナショナル 根本真樹子
弊社お客様よりご厚意でご提供いただいたイロコイ・ニューヨーク・ホテルに関する以下のレポートを一部編集し、ご本人の許可を得...